先輩花嫁が結婚式で重視した項目では、「料理」は常に上位ランクインしており、昨今どの結婚式場も料理には力を入れています。ただ味や見た目以外に「料理へのこだわり」を知る機会は 少ないもの。そこで今回マイナビウエディング編集部は、「料理で選ばれるホテル」としても名高いホテルモントレ銀座の総料理長・熊谷氏にインタビューしました！
編集部「ズバリ！料理に対する想いを伺いたいです。食材についてどんなこだわりをお持ちですか？」 熊谷総料理長「実は、食材の産地には、安心・安全な食材であること以外にこだわりはないんです。 というのも、その日に一番いい食材をお客様に提供したいと思っているので特定の産地にこだわってしまうと、どうしてもベストな状態で提供し続けることが難しくなります。 また、僕はこれまで札幌や京都、大阪など日本各地で料理人をしてきたので、各土地の美味しい食材を熟知しています。 あとは、そのエリアに住んでいるお客様に合わせて料理を考案するのもポイントですね。 例えば、銀座だったら”憧れ”というイメージがある方が多いので、 『銀座らしい上質さ』が伝わるお料理を考案しています」
編集部「各地で回ったからこそ引き出しが豊富で、臨機応変に対応できるんですね」 亀井総料理長「そうですね。行く先々でお客様と直接触れ合い、お話しすることも大切にしています。 特に一番刺激をもらうのはブライダルフェアの試食会の時ですね。 ブライダルフェアの試食会には必ずお客様一組一組のところにご挨拶に伺うのですが、その時に頂いたお料理の感想はとても参考になります。 時には試食会の時やパーティ後に厳しいご指導を頂くこともありますが、逆に一層モチベーションが上がります。 お客様との距離が近いホテルだからこそ、お客様目線で一番美味しい料理を提供することが一番重要だと考えています」
編集部「私も試食会でお料理を頂きました！特に印象深かったのはコンソメスープ。とてもやさしい味でした」 亀井総料理長「ありがとうございます。コンソメスープは実際のお客様にも群を抜いてご好評頂いているんですよ。 僕が札幌で料理人をやっていた時に考案して、銀座でもご提供しています。 ホテルモントレ銀座には料理人が10名ほどいるのですが、実はこのコンソメスープは僕が真心込めて作っているんですよ。 ほんの些細な火加減や室温で味が変わってしまうので、12時間かけて管理しながら調理にあたっています。 通常のコンソメスープは牛肉や牛骨を使用しているものが多いのですが、僕は鶏肉や仔牛も使っているので、より臭みがなく口当たりがやさしい味になるんです。 スープの底に茶碗蒸しが入っているのも僕のこだわりなんですよ」
編集部「結婚式では一度に大勢の料理を作る必要があると思うのですが、工夫している点などはありますか？」 亀井総料理長「ホテルモントレ銀座は披露宴会場の隣にキッチンがあるので、出来立てをすぐ提供できます。 さらにキッチンでは、デシャップ（出来上がった料理を置いておく場所）の上にヒートランプがあったり、お皿自体がウォーマーで温められていたりと出来立ての温度をキープする工夫が施されています。配膳スタッフと連携が取れているのも大きいですね。 大型のホテルになると披露宴会場がキッチンから離れていることもあるので、提供する前に冷めてしまうこともあるようですが、やはり結婚式のお料理はずっと思い出に残るものなので、すべての人に喜んで頂きたいと思っています。
編集部「調理や提供方法にもこだわられているんですね。最後にこれまでシェフが印象に残っているエピソードを教えてください」 亀井総料理長「以前、レストラン経営をしている新郎様から『1品だけ自分のメニューを作りたい』とのご依頼があったことは今でも印象に残っています。 その時は新郎様と僕とで日々メニューの打ち合わせをしながら、当日はゲストの前で二人一緒にライブキッチンをしましたね（笑） おふたりももちろん喜んでくれましたが、ゲストはとても盛り上がってくれました。 そんなおふたりの料理のこだわりに寄り添っていけるように、ホテルモントレ銀座ではプリフィックスメニューもご用意しています。 『おふたりの地元の食材を使用したい』なども相談して頂けるので、是非一緒にお客様に喜んでいただける最高のおもてなしが出来るよう全力でサポートしていきます！」
